今年は開山忌(栄徳寺が開かれた日)に合わせて先代住職「栄徳寺31世白峰清玄大和尚」13回忌、先代住職の寺族「泰心麗文禅尼」1周忌の法要を行うため、26名の近隣御寺院様より随喜していただくこととなりました。
当日は先住忌の他に檀信徒皆様の家内安全・身体堅固等々を祈願する「大般若祈祷会」と、申し込み希望者の「合同年忌」を例年の二倍以上の御寺院様により荘厳に行います。
檀信徒の皆様には出欠席の確認ハガキを送らさせていただきました。
多くのご参加お待ちしております。
大般若祈祷会とは
『大般若経』は、『西遊記』にも出てくることで有名な玄奘三蔵法師が、約20年間もの大旅行の後に膨大な量の経典を持って帰ってきたことで知られています。字数は約500万字、全部で600巻となります。
玄奘三蔵はこの訳出を終えてすぐに亡くなってしまいましたが、自分の生存中に経典の翻訳が終わったことについて、諸仏や龍天の助けがあったと述べたことから、この経典が国家や民衆を守ってくれると信じられ、「大般若会」の成立となりました。なお、「般若」というのは、大乗仏教の菩薩が重んじる「六波羅蜜」という徳目の一つの「般若波羅蜜」のことです。これは、「智慧の完成」を意味します。 日本に於ける「大般若会」の歴史を遡ってみると、703年に藤原京にあった四大寺に天皇が命じて行わせたようで、その後は寺院のみならず朝廷の宮中にも僧侶が出張して行われました。737年になると、奈良市にある大安寺で毎年行われるようになり、中世に至って全国に広まっています。
「大般若会」は、その式の中で『大般若経』600巻を全て読みますが、怖ろしく膨大であるため、当然、全て正しく読む「真読」は至難の業です。先に挙げた大安寺では150人の僧侶がこの法会に参加していたようですが、現在の曹洞宗寺院では、少人数で行われる場合も多く、その時には、略して読む「転読」が採られています。
「転読」の方法は、時代によって変遷があり、当初経典が「巻物」であった時代には、題名と、中間と、末尾のみをめくって読んだそうです。その後、現在のような「折本」が出来てくると、左右や前後に振るようにして転読としました。この転読の際に出る風に当たると、一年間は無病息災になるといわれています。